手紙



真紀は昔から綺麗だった。

清楚な顔立ちに白い肌。
手入れの行き届いた栗色の長い髪。
細い体――



黒目がちの澄んだ瞳は閉じられていながらも、変わりなく綺麗だった。

どこからどう見ても真紀だった。
俺が生涯ただひとり真剣に愛した真紀だった。



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