手紙



へこんだ腹にも、同じような縫い跡。

胸も、腕も、顔以外はぬいぐるみのようだった。


その時初めて目の前が霞んだ。

その時初めて"真紀"と呼んだ。

その時初めて愛しい人を見て胃酸が上がった。



もう見てられなかった。



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