手紙



その場から震える体、足を懸命に動かし、逃げた。

俺は真紀から、その姿から、最愛の人の死から俺は逃げたんだ。

周りも見えずただ走った。
息を切らし、目から涙を流し、頭に残る残像を振り払うように走った。

車で来た事なんて忘れ、ひたすらに走った。
何処に向かっているかもわからず走った。

まるで走る事が義務かのように。


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