アリスのいた街
日常








ユ「はぁー…」










さがしてもさがしても、アリスはどこにも見当たらなかった。
どんなにあの町を駆け巡っても、アリスどころか、人の気配さえ見当たらない。





だから決めたのだ。










今年で、アリス探しは最後にしようと。








自分勝手かもしれないが、もしかしたら、あの日のことはすべて夢だったのかもしれないし、





本当はいなかった




などという現実が突きつけられるのは怖い、






だから。






今年で最後











?「ユウリ?」

ユ「…ハズミ」

ハ「手ー止まってるよ?
  平気?」

ユ「ん、平気」









今話しかけてきたのは、隣の席に座っているハズミという女だ。
髪の毛が金髪だから、不思議とあのアリスと重なってしまう。
だから、いつも目で追ってしまう。









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