桜、ひらり


私は何話していいかわからず、センパイも何も話さないから沈黙になってしまった。
そろそろ教室に戻ろうとしたときだった。


「瑞希ちゃんってさ、よくモテるでしょ?」

「えっ…?」

「中学とか彼氏いた?」

「も…モテませんし、彼氏だって出来たことはないですよ」

「ふ~ん。そうか。」


センパイはまた笑顔で私を見てる。
でもなんでそんなこと聞くのか不思議でしょうがなかった。
今まで"モテそう"なんて聞かれたことなかったから。
むしろ私なんか中学いじめられてたから…


「センパイ…どうしたんですか?そんなこと聞いて」

「思ったこと言っただけだよ。」

そういうとセンパイは腕時計を見て、

「そろそろ時間だね。教室戻ろうかな」

私の頭をポンポンとして、先に行ってしまった。

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