桜、ひらり
センパイ
居づらくて教室に戻ろうとしたとき、
「ごめん…。気持ちは嬉しいけど、俺は君のこと好きじゃない。」
するとドタドタと上から降りてくる音。泣きながら私の前を通り、階段を降りていった。
(可哀想…)
と思いながら、階段をまた上った。
(でも聞いたことある声だな。気のせいかな…)
屋上のドアの前に着いてドアを開けた。
「わぁ眩しい!」
太陽が凄く眩しく、風もあって凄く気持ちいい。
「いい眺め~。夜なんか凄く綺麗だろうなぁ」
「綺麗だよ」
背後から声がした。
でもその声の主は、さっき告白されてたセンパイって人に似てた。
私は振り替えってその人を見た。
眩しくてよくわからないけど目を細めながら見た。
「あっ…さっきの」
「覚えててくれたんだね」
センパイの正体は朝、桜の木の下で本を読んでいたあの人だった。