SEVEN WINGS
 漆黒の柄に灼熱の炎を思わせる真っ赤な宝石。全体的に細身で、『呪われた剣』という名が似合いそうだ。
 思わず、かっこよく説明したくなる剣だけど……。
「どうしてこれが僕のだと思うの?」
 ティアは少し考えていたけれど、
「確かこんなのだったと思うから」
 と曖昧に言った。
「……そっか。ちょっとこれ見ていたいから、また何かあったら言って」
 僕がそう言うと、もう一度、剣をじっくり見てから、ティアは作業に戻った。
 これが僕の剣……? じっくりと見てみるけど、やっぱり全く覚えがない。よく分からないけど、僕のなら持って帰っても良い……よね。
 もともと僕が持っていたのは、いつも身に付けているこのバンダナと剣だけらしいし。
 どこにあるのかと思ったら、こんなところにあったのか。
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