SEVEN WINGS
「そんな……」
 困っていると、不意に横から声が聞こえた。
「なら、また悪魔を封印すれば良いのでは?」
 そう簡単にいかないよ。現実は。
「そうするつもりなのだが、封印を手伝った魔術師の、大半が行方不明なのじゃ」
 ティアも、僕も絶句だった。何か言えるわけがない。
「それでも何もしないわけにはいくまい。そこで、封印の準備が整うまで、フォルには悪魔討伐をしてもらう」
 悪魔討伐? なにそれ?
「ちょっと待ってください! 4歳にも負けるほどの運動音痴で、知能や学力もせいぜい10歳程度のバカなフォルが、悪魔と戦えるわけがありません。そこら辺の石ころ以下の存在が、外に出たって秒殺ですよ?」
 かばってるんだよね? けなしたいだけ? それに僕だって平均以上の成績を保ってるし、4歳には勝てる! 6歳には負けたけど……。だから、石ころ以上の価値はある。……あるはずだ。
「それはそうじゃが、どちらにしても、責任をとり、ビラージュからは出て行かなかなければならぬ。悪魔の封印を解いたために、世界中の人が苦しむことになるのじゃ」
< 29 / 96 >

この作品をシェア

pagetop