SEVEN WINGS
 僕は、懸命に思い浮かべる。手のひらに、火の玉が浮かぶところを。それを自在に操っているところを。
「「「…………」」」
 思い浮かべる。頑張って思い浮かべるけど。
「無理に決まってるじゃないか!!」
 そう。僕には無理だった。2時間の間僕は休むことなく、頑張った。だけど、ティアみたいに天才なわけないじゃないか。もし、2時間で本当に、魔法が使えるようになるなら、この世界はみんな魔法使いになっている。
 そもそも、僕みたいなできそこないが、魔法を使おうだなんて考え方が間違っていたのだ。
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