SEVEN WINGS
※・※・※

 しばらくして、ウィータさんはゆっくりと目を開けた。
「あの、何か分かりましたか?」
「え!? あ、いや……何も分からなかったわ」
 何もなかったなら、こんなにも動揺するはずがない。何が見えたのだろうか?
「貴方はもう、練習なんてしなくていいわ。ティアちゃんに教えるのに、時間をかけるから、貴方は、好きなようにすごしていて。ホテルも知り合いのを紹介するわ。だいたい1週間ぐらいだと思うから。じゃあ、さよなら」
 そうやって、僕は追い出されてしまった。
 ウィータさんが追い出すほどの、過去。僕は一体何者なんだ。



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