ＳＥＶＥＮ ＷＩＮＧＳ

「こちらこそよろしくお願いします」
　……ふぅ。今度は、しゃべらなかったので、少し安心した。今度しゃべったら、確実にばれるだろうから。
「あの、アーテルさんって、とても若いじゃないですか。どうして、門番さんをしているんですか？」
　質問してから、後悔した。歳と仕事は関係ないじゃないか。門番だってかっこいいし……。
「俺、全然若くないよ？　もう、24だし……。あと、俺の事はロセウスでいいよ。それで、この仕事に関しては、家が代々騎士の家系でね。小さいころから、稽古ばかりしていたんだけど、平和な町だったから、門番に就いたんだ。この仕事だったら、自分の力を存分に発揮できるでしょ。人の役にも立つしね。まぁ、そこまで、人が通るわけでもないし、悪魔も弱いから、暇なんだけどね」
　……24歳って、普通に若いと思うけど。まぁ、それは置いといて、騎士の家系か……。稽古ばかりしていたらしいし、強いんだろうな。この、にこにこした優しそうな顔からは、想像できない。でも、よく見てみたら、細身だけど、少しがっしりした体格をしている気もする。