SEVEN WINGS
「!? …………ありがとう」
 そう言ってにっこりと笑うロセウスさん。そんなににっこり笑われると、なんだか、顔が赤くなってしまう。
「いや、助けてもらいましたし。優しいですし……」
「そう? そう言ってくれるとうれしいよ。あと、友達だったら、さんづけも、敬語もやめてよ? よそよそしいから……ね?」
 敬語も、さん付けもやめる? それには、ちょっと心の準備が……。
「また、ステラを置いてけぼりにしてるにゃ。じゃあ、ステラも友達にゃ。ロセ兄よろしくにゃ」
「うん、よろしくね」
 いつの間にか、ステラに先越されてるし。だからと言って、ステラみたいに、ロセ兄と呼ぶのも……。
「……っていうか、なんで、ロセ兄と呼ばれて驚かないの!?」
 普通、急に呼ばれたら、びっくりするものじゃなかったかな……?
「なんでって、近所の子にも、弟たちにも、そう呼ばれているから……」
 そうだよね。うん。兄弟がいるんだったら、そう呼ばれてても、おかしくないよね。普通僕みたいに驚くわけないよね。そう落ち込んでいると、ふわりと何かが頭にふれた。
< 73 / 96 >

この作品をシェア

pagetop