SEVEN WINGS
※・※・※

 僕らは、街を出てすぐにある、森を歩いていた。真昼なのに真っ暗で、霧が出ていて、薄気味悪い。
「ねぇ……。本当にこっちでいいの?」
 心配になってそう聞くけど、ステラはずっと笑顔だ。
「大丈夫にゃ。自分の村は、間違えないにゃ」
 そうは言っているけど、とても心配だ。僕自身そう言って、たどりつくことは、滅多にないのだから……。まぁ、僕の場合は特別だとは、思うんだけど……。
 そのまま、進むことさらに10分。いまだに森の様子は変わらない。だけど、ステラは振り向いて声を発した。
「ここが、ステラの村にゃ」
 何もないから、反論しようとしたとき、霧が晴れはじめた。そして、やっと、村があることに気づいた。
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