SEVEN WINGS
 猫って、一応160ごえの男子を余裕でこえる程の力って持っているものなのだろうか? 確かに、木の上とかに登っていたのなら、20匹ほどいるし押しつぶすことだって可能だろう。でも、猫たちは地面にいた。流石に普通の猫じゃ、このジャンプ力はないだろう。これは、悪魔故なのだろうか。
 っていうか、そんなこと考えている暇ないだろ!? 1匹、1匹は軽くても、20匹はさすがに多い。このままじゃ本当に潰れてしまう。
「ちょ……、ちょっとどい……て。これじゃ死んじゃうからぁ!」
 顔は奇跡的に空いていたので、必死に訴える。すると、渋々一匹ずつ僕から降りていく。
 全ての猫が降りて、立ち上がろうとしたら、頭が急に重くなった。子猫の一匹が、頭の上に乗っていたのだった。少し重かったけど、だからといって、おっことすのもかわいそうなので、そのまま立ち上がる。
「それで、何して遊ぶ?」
 押しつぶされて殺されかけても、悪魔でも、猫は猫。やっぱり遊びたい。ここは、猫の意見に任せよう。
「じゃあ……」
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