カサブタ。

「本当に来てくれたんだ。」

彼はそう言って目を細めた。


左足にギプスをしていた。


「轢かれたの?」


迷ったあげくにそう聞いた。


彼は笑って頷いた。


「よくある事だよ。」


彼はそう言った。


交通事故なんて、
そうそう遭うものじゃないわ、と思った。


それはもちろん彼にそのまま伝わったようで、

彼はクスクスと笑った。


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