カサブタ。
6:女心と…

彼は1週間で退院した。


この1週間、
毎日のように見舞いに来たのは、
彼が毎日

「明日も来てくれるよね?」

と、
子犬みたいに見上げて来たからだ。


私の他に、
誰かが見舞いに来た気配もなかった。


体は元気なのに、
病室に閉じ込められているのはなんだか気の毒だったし。


と、
自分の中で毎日、毎日言い訳した。


だって、悔しい。


彼の甘えに、
逆らえないから。



< 47 / 60 >

この作品をシェア

pagetop