王子と秘密の甘い時間。


足跡はどんどん近づいてくる。


「けぃ……ッ!?」


先に階段を上がってきた麻奈と目があった。

麻奈は一瞬目を大きく見開いた。


「んだょ……ッ?!」


ふたりは、しまったという顔になった。



「ふたりとも、仲、良いんだね。」


私は笑顔を作って笑いかける。

ふたりはバツの悪そうな顔をした。


「ぁ、ごめ…、邪魔したよね。」


ねぇ、ふたりとも。

なんか反応してよ。


麻奈……慧斗、



何か言ってよ。


< 127 / 285 >

この作品をシェア

pagetop