王子と秘密の甘い時間。

慧斗side



夜。

俺は純弥と街を歩いていた。


「ねぇ、慧斗。
愛実ちゃんのこと好きでしょ。」


俺を見てニヤッと笑っている純弥に、


「……おぅ。」


俺は顔を反らしながら答えた。


「やっぱりね♪」


純弥は満足げに前を向いて歩き出した。

俺は、なんとなくガラス張りの飲食店に目を向ける。





「……ぇ?」


俺は立ち止まった。

急に立ち止まった俺に、純弥が声をかける。


「慧斗……?」





そこには、
愛実と、ひとりの男が座っていた。


< 140 / 285 >

この作品をシェア

pagetop