王子と秘密の甘い時間。


昼休み、廊下を歩いていたら、


「慧斗!!」


珍しい声が俺を呼んだ。





「……麻奈。」


振り向くと、仁王立ちをした川崎……麻奈が険しい表情で立っていた。


「ちょっと顔かしなさい。」


そう言って、つれてこられた場所は、螺旋階段の下。


「ここなら仮面剥がせるでしょ。」

「……なんだよ。」


俺が不機嫌そうに聞くと、麻奈はフンと笑って、


「あんた、


愛実のこと、好きでしょ。」


得意気に笑った。


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