王子と秘密の甘い時間。


「……。」

「いとこだもの。
見れば分かる。慧斗は愛実が好き。」

「だからなんだよ。」


すると、麻奈は真顔になって、


「一昨日の夜の男に嫉妬したでしょ。」


そう言った。


「……。」


俺は図星を指されて黙る。


「……気になる?
愛実と男の関係。」


麻奈は変わらず真顔のままで聞いてくる。


「別に。」


俺はそっけなく答えた。


「ふぅん。気にならないんだ。」

「うるせぇな。」


俺は背を向けて歩き出そうとした。


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