王子と秘密の甘い時間。
「慧斗はいつもそうよね。」
麻奈は呆れた声で言う。
「麻奈こそ、お節介治したら?」
俺も、ニヤリと笑って言い返した。
そろそろ授業が始まりそうな時間。
「授業始まるぞ。」
俺は螺旋階段を上がる。
「授業なんて、お祖母様にでも頼んでなんとかしなさいよ。」
「無茶言うな。」
グチグチ文句を言いながら、俺を追い越して階段を上がる麻奈。
「けぃ……ッ!?」
先に上がっていた麻奈がピタリと止まった。
「んだょ……ッ?!」
俺も思わず息を呑んだ。