王子と秘密の甘い時間。


委員長がくじの箱を掲げる。


「男子はこっち、女子はこっち。」


委員長は、くじを引くように促した。


「……5か。」


慧斗と一緒がいいな。

……でも、現実はそう上手くいかないようで…、


「よろしくね、姫♪」


さっきの男子とペアになった。


「よろしく。
てか、姫って……。」

「知らなかったの?
佐野ちゃん、男子生徒から“姫”って呼ばれてんだよ。」

「初めて知った。」


私が呟くと、男子は子供みたいな無邪気な顔で笑った。


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