王子と秘密の甘い時間。


「あ、俺、名乗ってなかったね。坂倉雪(サカクラユキ)。佐野ちゃんの隣のクラスだよ。」


坂倉はニカッと笑って、そう言った。


「雪って…、女の子みたいな名前。」

「ぅわ、それ傷つくよ?!」

「……プッ。」


私は、坂倉の反応に、思わず笑いが出た。


「よし、じゃー三択問題!!」

「?」

「次の三つの中から、一つ選べ!!
1、佐野ちゃん
2、愛実ちゃん
3、姫♪」


姫は却下。

んー……、


「姫以外なら何でもいい。」

「んじゃー姫様とか?」

「坂倉は“雪ちゃん”決定。」


私は間髪入れずににっこり笑ってそう言った。


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