王子と秘密の甘い時間。
「雪ちゃんはね、
幼稚園の頃の友達だったの。」
「なんとなく、そんな感じはした。」
慧斗は、少し切なそうに瞳を揺らしていた。
「小学校高学年になってから全く会ってないから、盛り上がっちゃって……。」
「分かってる。
……ほんとにごめん。」
慧斗は硝子細工に触れるかのように優しく抱き締めた。
「大丈夫だよ。
私にも、否があるし。」
確かに、慧斗が自分以外の女の子と盛り上るのは、想像するだけで嫌だ。
「慧斗、ごめんね。」
私は、慧斗に触れるだけのキスをした。