王子と秘密の甘い時間。
しばらく、麻奈の腕の中で泣いていたら、落ち着いてきた。
「麻奈……ありがと。」
「どういたしまして。」
麻奈はにっこりと私に微笑む。
「それにしても、慧斗……。ただじゃおかない!!」
麻奈は鬼のような形相に変わり、慧斗が去った方向を向いて、睨んでいた。
「麻奈……いいの。」
「でも……ッ!!」
「確かにね、3才の頃からの約束だから、今誰かが何かを言っても、どうこうできない。慧斗の言う通りだよ。」
「愛実……。」
私は慧斗が去った方向を見つめていた。