王子と秘密の甘い時間。


昼休み、


「けぃ……、」

「王子!!」


愛実が俺に話しかけようとしたとき、


「若林さん。」

「お迎えに上がりました。」


顔を赤くさせ、若林が愛実の言葉を遮って話し出した。


「ぁ、あぁ、行こうか。」

「はいっ♪」


俺は愛実を気にしながらも教室を出た。


「どこで食べましょうか!!」


楽しそうな声。

その声は愛しい人の声ではない。


「どこにしましょうか。」

「んー……、あッ。
こっちです!!!!!!」


俺は若林に引っ張られながら、屋上へ連れていかれた。


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