王子と秘密の甘い時間。
男女がふたりで屋上で文化祭の話って言ったら、それしか思い浮かばない。
それとも、もうOKして、これからその予定について、話し合おうとしてたとか…。
私の頭が悪い方へと回転する。
「――ゃん、佐野ちゃん!!」
雪ちゃんの声で我に返る。
「ぁ……、ごめん。何?」
「何?って……。
前夜祭と後夜祭、一緒にいない??」
雪ちゃんが私をじっと見つめてそう言った。
「……ぇ?」
佐野ちゃん3人の視線が突き刺さる。
「ぇっと……、ごめん。考えさせて……。」
私はそれだけ言って、屋上を出た。