王子と秘密の甘い時間。
家を出ると、雪ちゃんからの着信。
「……もしもし雪ちゃん?」
“ぁ、佐野ちゃん、酷いよ、俺のメール返してくれないなんて……!!”
冗談っぽくそう言った雪ちゃんに、私は疑問がでた。
「雪ちゃん。」
“ん?”
「私、メールきてないよ?」
“いや、確かに送ったよ。エラーメールこなかったもん。”
「……そぅ。ごめんね。」
“ま、いーよいーよ。っていうか、一緒に帰らねぇ?”
その誘いに、昼休みのことが頭をよぎる。
「あー……、」
“ぁ、嫌だったら別にいいけど……。”
「ぅん。一緒に帰ろ?」
私はそう答えて、生徒玄関に向かった。