王子と秘密の甘い時間。


「まぁ……そうなんだけど。」

「あぁ、焦れったい!!
そんなにうじうじして、先にとられちゃっていいの?!」

「それは……ッ!!」


私は顔をあげて口をつぐむ。


「だったら……!!」

「でも、一回フラれてるんだよ?」


私はきっと今、泣きそうな顔してる…。


「愛実……。」


もう一回フラれたら、
私は絶対耐えられない。

麻奈は心配そうに私を見つめた。


「愛実、まだ間に合うからね。」


麻奈はそう言うと、
教室を出ていった。


< 219 / 285 >

この作品をシェア

pagetop