王子と秘密の甘い時間。
若林さんは真っ赤になりながら、悔しそうに教室を出ていった。
出ていくときに、凄い形相で私を睨んでいた。
……って、
「えぇッ?!」
前夜祭、慧斗も一緒なの?!
麻奈は、私が今何を考えているのか察したのか、ニヤッと笑って、
「私が誘ってあげたんだから、頑張んなさいよ!!」
高くつくわよ~。なんて言いながら、私の肩をポンと叩いて席についた。
私も、呆然としながら席につく。
あのあと、麻奈が女子様たちに質問攻めにあっていたのは、言うまでもない。