王子と秘密の甘い時間。


「慧斗……、離して。」

「麻奈、純弥、2×2のペアに分かれない?」


慧斗は、私を腕の中に入れたまま、麻奈と純弥くんにむかって、仮面をつけてそう言った。


「私は別にいいわよ♪」

「あぁ。行っといで。」


ふたりは顔を見合わせて私たちにむかってニヤッと笑って、人混みの奥に消えていった。


「こっち……」

「ひゃ……、」


慧斗に腕を引かれ、
私たちも、人混みに入っていった。


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