王子と秘密の甘い時間。


慧斗の顔が、一瞬、怒りで歪む。


「……なんですか?」

「やっぱり私、慧斗くんとどうしてもいたくてっ!!」


若林さんはそう言った後に私を睨み付け、


「お邪魔虫には消えてもらわないと。」


そう言った。

……ッ!!


「じゃあ、おふたりで……、」

「なんで佐野さんが“お邪魔虫”なの?」

「「え??」」


私と若林さんは、同時に声を発した。


「だって、元々約束してたのは佐野さんとだし。佐野さんはここにいなよ。」


少し冷酷に、でも仮面をつけたままそう言う慧斗。


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