王子と秘密の甘い時間。
多分、こいつもさっきまでウザい女たちに質問攻めにあってたんだろう。
俺は、愛実にしか聞こえない声で、愛実に謝った。
「ぁー…、ぅん。」
苦笑いを溢す愛実。
「大丈夫?」
俺の前の席の純弥が振り返った。
「大丈夫……じゃ、ない。」
力なく答える愛実を見て、愛実の右隣の席の川崎麻奈が心配そうに口を開いた。
「愛実、具合治らないの?」
川崎は、愛実が具合のことを言っていると勘違いしているようだった。
「ぁー…、ぅ、ん。」