王子と秘密の甘い時間。
クラスがざわめいた。
「まじですか……。」
文化祭実行委員は、
委員会の中で最もめんどくさいと言われる委員会。
文化祭実行委員だけは、やりたくなかった……。
「ぃゃ……」
「分かりました。すみません。」
私の否定の言葉を遮って、慧斗は王子の仮面をつけて快い返事をした。
「佐野さん、頑張ろうね。」
私に向かってニコッと笑う慧斗。
今、拒否権を一気に慧斗に奪われた。
「………はぃ。」
はぁーーーー。
最悪。