王子と秘密の甘い時間。


「ぁ、愛実、そろそろ予鈴鳴るよ。」


麻奈が時計を確認してそう言った。


「ぁ、まじ?
…んじゃ、行こっか。」


私たちは、教室に急いだ。



ガラガラ。

キーンコーン……。

教室に入った瞬間鳴ったチャイム。


「ギリギリだね。」

「ん……疲れた。」


私たちは、
机に突っ伏した。


ぁー、疲れた。



10月といえど、

走れば暑い。



「大丈夫?」



隣から聞こえる、

上品な声。


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