王子と秘密の甘い時間。


慧斗の綺麗な指がボタンを止めていく。

私はいつの間にか震えが止まっていた。


「落ち着いた?」

「うん……。」

「すぐ戻ってくるから、そこにいろよ。」

「うん。」


慧斗は家を出ていった。





「ぁ……れ??」


また震え始めた……。


「ぉ……かしいなぁ。」


さっき止まったはずなのに……。


「慧斗……。」


怖い、怖い怖い怖い。

早く帰ってきて――。


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