海までの距離
もう駄目だ。もう堪えきれない。
「み、海影さん、あり、ありがとうござっ…」
全て言い切るより先に、目が熱くなる感覚。
折角我慢していたのに、さよならが台なしだ。
「え!?あっ!ちょ、こら泣くな!」
「だってえぇー…」
焦る海影さんの声すら、私の涙腺を揺さぶる。
ぐしぐしとカーディガンの袖で目鼻を擦り、「ああもう、真っ赤!顔真っ赤!」と海影さんはおろおろ。
停留所にいる人達にちらちら見られている。
羞恥心はあるけど、溢れる感情が自分で止められない。
「ぜっ、ぜったい、返しに来ますっ」
嗚咽混じりにやっと搾り出した言葉に、海影さんは苦笑いで、
「約束な」
また、私の手を握り締めた。
「み、海影さん、あり、ありがとうござっ…」
全て言い切るより先に、目が熱くなる感覚。
折角我慢していたのに、さよならが台なしだ。
「え!?あっ!ちょ、こら泣くな!」
「だってえぇー…」
焦る海影さんの声すら、私の涙腺を揺さぶる。
ぐしぐしとカーディガンの袖で目鼻を擦り、「ああもう、真っ赤!顔真っ赤!」と海影さんはおろおろ。
停留所にいる人達にちらちら見られている。
羞恥心はあるけど、溢れる感情が自分で止められない。
「ぜっ、ぜったい、返しに来ますっ」
嗚咽混じりにやっと搾り出した言葉に、海影さんは苦笑いで、
「約束な」
また、私の手を握り締めた。