海までの距離
それなりに好きだったはずだけど、もう恋愛感情なんて思い出せないや。
だから、こんな状況をどうやって打破すればいいのかなんて知らない。分からない。
「まあ、まだ若いからな。これからいろいろあるさ。ただ、ミチみたいなのには捕まるなよ」
くっくっと肩を揺らして、海影さんが笑う。
テーブルの向こうのミチさんはお姉さん方に虐められていて、聞こえていないようだった。
「お先に失礼します!」
バスが来る時間ぎりぎりに、私は居酒屋を飛び出した。
「楽しい時間はあっという間」とよく言うけれど、私の場合はちょっと違う。
いつここを離れなきゃならないんだろうと時間ばかり気にしていた。
あと少し、あと少しと、分刻みに時計を見ていた。
結局「お前、時間大丈夫なの?」と声をかけてくれたのは海影さんで。
だから、こんな状況をどうやって打破すればいいのかなんて知らない。分からない。
「まあ、まだ若いからな。これからいろいろあるさ。ただ、ミチみたいなのには捕まるなよ」
くっくっと肩を揺らして、海影さんが笑う。
テーブルの向こうのミチさんはお姉さん方に虐められていて、聞こえていないようだった。
「お先に失礼します!」
バスが来る時間ぎりぎりに、私は居酒屋を飛び出した。
「楽しい時間はあっという間」とよく言うけれど、私の場合はちょっと違う。
いつここを離れなきゃならないんだろうと時間ばかり気にしていた。
あと少し、あと少しと、分刻みに時計を見ていた。
結局「お前、時間大丈夫なの?」と声をかけてくれたのは海影さんで。