海までの距離
だから、私が「寂しい」なんて思うのはおかしな話なんだ。
海影さんのことだけじゃない、咲のことに関しても同様のことが言えるはず。
年末まではせっせと通った学校も、年が明けて、雪が激しく降り積もる日なんかは、どうしても休んでしまった。
ここ数日は、家に篭りきり。
とは言え、家に居たって、取り立ててすることがない。
センター試験は明後日に迫っていた。
私は夕方、雪が止んだのを見計らって外に出た。
屋根の上も道路も畑も、分厚く雪が覆いかぶさっている。
東京はあったかかったな…。
吐き出した息は白く、空気中に溶けていく。
どれだけ完全防備でも、露出された頬が切れるように冷たい。
黄昏が、白い世界を温かく包み込んでいて、それがなぜだかとても物哀しい。
私は新雪を踏み締めて、近所の神社へと歩き出した。
雪の降る日は、車も人通りも、ぐっと少ない。
私が1歩足を踏み出す度に、白銀の絨毯に深い足跡が作られていく。
海影さんのことだけじゃない、咲のことに関しても同様のことが言えるはず。
年末まではせっせと通った学校も、年が明けて、雪が激しく降り積もる日なんかは、どうしても休んでしまった。
ここ数日は、家に篭りきり。
とは言え、家に居たって、取り立ててすることがない。
センター試験は明後日に迫っていた。
私は夕方、雪が止んだのを見計らって外に出た。
屋根の上も道路も畑も、分厚く雪が覆いかぶさっている。
東京はあったかかったな…。
吐き出した息は白く、空気中に溶けていく。
どれだけ完全防備でも、露出された頬が切れるように冷たい。
黄昏が、白い世界を温かく包み込んでいて、それがなぜだかとても物哀しい。
私は新雪を踏み締めて、近所の神社へと歩き出した。
雪の降る日は、車も人通りも、ぐっと少ない。
私が1歩足を踏み出す度に、白銀の絨毯に深い足跡が作られていく。