海までの距離
新潟に住んでいたら当たり前の冬の風景。
海影さんは、今年はこの風景が見られないんだっけ。
私も…来年には見られないかもしれない。
黙々と足跡をつけ続けて10分、小さな神社にたどり着いた。
普段から来ているというわけでもなく、ただ「ああ、あそこに神社があったっけ」と思い出してここまで来た。
雪の積もった夕暮れの神社は、言葉にし難い風情がある。
暫し感傷に浸った後、賽銭箱に50円玉を投げ入れた。
想うのは咲のこと。
もしかしたら余計なお世話なのかもしれない、だけど、祈らずにはいられなくて家を出た。
咲の為なのか、また早く咲と笑い合いたい自分の為なのか、その分別はつかない。
それでも私はじっと目を閉じて、手を合わせた。
咲は東京の私立を目指すんだと決めた。
もし叶えば、東京でも会える。
咲と一緒に上京できるといいな…。
辺りがすっかり暗くなるまで、私は手を合わせ続けた。
私の祈りがどれだけの効力があったのかと考えると、そんなものより、咲の努力の賜物だからと考えるのが自然。
海影さんは、今年はこの風景が見られないんだっけ。
私も…来年には見られないかもしれない。
黙々と足跡をつけ続けて10分、小さな神社にたどり着いた。
普段から来ているというわけでもなく、ただ「ああ、あそこに神社があったっけ」と思い出してここまで来た。
雪の積もった夕暮れの神社は、言葉にし難い風情がある。
暫し感傷に浸った後、賽銭箱に50円玉を投げ入れた。
想うのは咲のこと。
もしかしたら余計なお世話なのかもしれない、だけど、祈らずにはいられなくて家を出た。
咲の為なのか、また早く咲と笑い合いたい自分の為なのか、その分別はつかない。
それでも私はじっと目を閉じて、手を合わせた。
咲は東京の私立を目指すんだと決めた。
もし叶えば、東京でも会える。
咲と一緒に上京できるといいな…。
辺りがすっかり暗くなるまで、私は手を合わせ続けた。
私の祈りがどれだけの効力があったのかと考えると、そんなものより、咲の努力の賜物だからと考えるのが自然。