海までの距離
センター試験で志望校を突破したと、ハートの絵文字がいっぱいのメールを咲から受け、私は自分の合格した時と同じくらい舞い上がった。
“卒業しても一緒”――密かに願っていたそれは、咲のお陰で現実となった。
その報告が来る少し前に、私のライブレポートが載ったディレイの発売。
その日もやっぱり朝から雪景色で、学校をさぼり、家の近くの書店へ開店と共に駆け込む。
「…あった…!」
雪降る平日、それも開店と共に書店にいるのなんて私しかいない。
思わず漏れた一言は、やけに店内に響いたような気がした。
“TEXT:Maya Kusumi”。ハーメルンのバンドロゴの下に書かれた、私の名前。
きれいに活字にされた、私の文章。
私であって、私じゃないような錯覚。
推敲した時に何度も何度も読んだのに、私はまた冒頭から読み返す。
当然ながら、見覚えのある言い回しに見覚えのある表現。
共に載せられた、海影さんとミチさんと、ライさんと凪さんの写真。
“卒業しても一緒”――密かに願っていたそれは、咲のお陰で現実となった。
その報告が来る少し前に、私のライブレポートが載ったディレイの発売。
その日もやっぱり朝から雪景色で、学校をさぼり、家の近くの書店へ開店と共に駆け込む。
「…あった…!」
雪降る平日、それも開店と共に書店にいるのなんて私しかいない。
思わず漏れた一言は、やけに店内に響いたような気がした。
“TEXT:Maya Kusumi”。ハーメルンのバンドロゴの下に書かれた、私の名前。
きれいに活字にされた、私の文章。
私であって、私じゃないような錯覚。
推敲した時に何度も何度も読んだのに、私はまた冒頭から読み返す。
当然ながら、見覚えのある言い回しに見覚えのある表現。
共に載せられた、海影さんとミチさんと、ライさんと凪さんの写真。