海までの距離
電話帳から海影の名前を選んで、送信先に指定する。
どきどきした。怖いくらいにどきどき、緊張した。
このメールが海影に届くんだ…。
気付けば私はTSUTAYAの駐輪場、自分の自転車の前に立っていた。
TSUTAYAの店員さん、丸1日無断駐車してごめんなさい。
返信がいつ来るか分からなくて、このままじっと待っているのが耐え切れなくて、私は自転車に鍵を差し込んでサドルに跨がった。
海を見ながら帰ろう。家に着いたら、海影から返信が来ているかもしれない。
家の車庫に自転車を停め、私は即座に自転車の籠から鞄を引っ張り出し、携帯をまさぐった。
一呼吸置いて、携帯を開くと……受信メールがある!
受信していたメールは1件。海影の名前が視界に入った。
「海影!」
独り言にしては大きい声が漏れたと自分にしても思う。
痛くなる胸を抑え、私はメールを開いた。
件名「Re:昨日は有難うございました」
本文「お疲れ様。
こちらこそ、昨日はありがとう。
今から仙台でライブです。
ライブレポート見たいぞー!」
海影のメールの文体も、随分と武骨だ。
だけど、海影からメールが来た。あの海影から!
飛び上がりたいくらいの嬉しさで、小さな携帯をぎゅっと抱きしめる。
どきどきした。怖いくらいにどきどき、緊張した。
このメールが海影に届くんだ…。
気付けば私はTSUTAYAの駐輪場、自分の自転車の前に立っていた。
TSUTAYAの店員さん、丸1日無断駐車してごめんなさい。
返信がいつ来るか分からなくて、このままじっと待っているのが耐え切れなくて、私は自転車に鍵を差し込んでサドルに跨がった。
海を見ながら帰ろう。家に着いたら、海影から返信が来ているかもしれない。
家の車庫に自転車を停め、私は即座に自転車の籠から鞄を引っ張り出し、携帯をまさぐった。
一呼吸置いて、携帯を開くと……受信メールがある!
受信していたメールは1件。海影の名前が視界に入った。
「海影!」
独り言にしては大きい声が漏れたと自分にしても思う。
痛くなる胸を抑え、私はメールを開いた。
件名「Re:昨日は有難うございました」
本文「お疲れ様。
こちらこそ、昨日はありがとう。
今から仙台でライブです。
ライブレポート見たいぞー!」
海影のメールの文体も、随分と武骨だ。
だけど、海影からメールが来た。あの海影から!
飛び上がりたいくらいの嬉しさで、小さな携帯をぎゅっと抱きしめる。