From Y
ねこは自室のテーブルに頬杖をついた。
そろそろ、羊さんの顔も見納めになるのかな。
別れ際に、羊は必ずキスをしてくれるようになった今日この頃。
親に起こされても起きられない日が続いている。
ねこは、宛名書きから進めていなかった文章の続きを書き始めた。
羊さん。あなたに出会えて、私は本当に幸せです。
照れるとエセ関西弁になる癖がある、ほほえましい羊さん。付き合い始めた頃、私に「俺のどこが好きなん?」って聞いたことを覚えていますか?
羊さんの好きなところをあげたら枚挙にいとまがないので、私は「全部です」の一言でまとめてしまいました。
改めて言うのも照れるので、こうして文章にしています。読むときは、私のいないところでお願いします。
羊さんに初めて会ったとき、目つきが怖いけど私のタイプだな、と思いました。バス停で何回か話しているうちに、見かけと性格にギャップがあることを知って、実は結構気になっていました。
完全に心を奪われたのは、羊さんの前で泣いたとき。羊さんの言葉は、今でも覚えてます。
「俺が楽しかったときも、ねこは一人で苦しんでたんだなって」
病気でささくれ立っていた心が、羊のさんのたった一言で癒えました。
羊さんはすごいですね。自分のことじゃなくて、他人の苦しみを思いやれるんですね。私は優しくしてもらってばっかりで、羊さんを思いやる言葉を持たなかった自分が情けなかったです。
心が広くて、懐が深くて、好きなところっていうより尊敬してる部分になっちゃいますが、器の大きいところが大好きです。
羊さんの声も好きです。したがって、羊さんに名前呼んでもらうのも好きです。言葉遣いも好きです。よく「言い得て妙だな」って感心する言い回しが出てくるので、話していてすごい楽しいです。
あとは、