From Y
「わ、綺麗……」
 銀細工が複雑に絡み合った繊細なデザインで、
「サイズ合ってるかわかんないけど」
 着けてみると柚の指にぴったりだった。
「いちばん小さいやつにして正解だった」
「……ありがと、由輔」
 由輔が柚の腕をそっと放した。
「じゃあ、また」
 頷いて、柚は爪先立って由輔の肩に手をかけた。
「由輔の誕生日に戻ってくる」
「――それまでには拾えるかと」
 由輔、と名前を呼び、そして。

「……だいすき」



 ――時系列的には自分の方が前から好きだった。
 とは、後の由輔の述懐である。
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