2番目の恋人
まるで、ツラいことから逃げるみたいに……
でも逃げてはいられない。
俺は携帯を取りだし、あるところに電話をかけた。
『もしもし!?』
たったワンコールで聞こえた、俺の好きな声。
「あぁ、莉緒。俺」
『そ、そんなの分かってるよっ!!それより、今どこに居るの!?』
この様子からして、きっと噂を聞いたんだろう……
「莉緒、今から話がある。」
『……え』
「いつものところで待ってるから、来て?」
『う…ん……』
不安そうな莉緒の声。
俺の好きな声じゃない。
って、そうさせてるのは俺か……
携帯を切り、窓から空を眺めた。
雲ひとつない晴天。
莉緒に出会った日も、こんな感じだったな。
……よしっ……行こう。
俺はある決心をして、空き教室を後にした。
俺が選んだ道。
俺が選んだ事。
それを莉緒に伝えるために……
たとえそれが、莉緒を泣かせてしまう道でも……