2番目の恋人
そばに居てやりたい。
そう思うのは、あいつだけなんだ……
――コンコン
来た……か。
静かな部屋に響いたノックの音。
「皐くん……あたし」
「うん、入って……」
ベッドから起き上がると同時に部屋のドアが開き、愛華が入ってきた。
「愛華……」
「皐くん……」
噂を聞いたのだろう……
いつもの綺麗な瞳が、今日は明らかに雲って見える。
「あの…さ、皐くん……」
「うん……」
ベッドに座っている俺に近づき、ゆっくり口を開いた。
「嘘……だよね?あんなの、ただの噂だよね……?さ、皐くんが浮気なんて……」
「っ……」
潤んでくる愛華の瞳。
いつもの優しい笑顔の愛華は、もうここには居ない……