2番目の恋人
「皐……」
そっと莉緒が顔を上げた。
――ホッ
泣いてるんじゃないかって思っていた莉緒の顔に、涙の跡が見えなくて、安心した。
「あのさ、莉緒…「あのねっ!!」
俺が話す前に大声で遮ってきた莉緒。
「留学、頑張ってきてね!」
「……え」
やっぱり聞いてたのか……?
「莉緒、聞いてたのか?」
「っ……聞こえちゃった。」
ペロッと舌を出して、イタズラっぽく笑う。
「いいのか……?」
「え……」
「俺、留学してもいいか?」
「っ……なんで、あたしに聞くのよ。当たり前じゃん。皐が決めたことなら。」
『俺が決めたことなら』……か。