2番目の恋人
■1番目の恋人
「はぁ―…はぁ―…」
教室から逃げてきて着いたのは、結局いつものとこ……
どうしてもここに足が動いた……
図書室の本棚に凭れながら、座り込んだ。
泣くことはしなかった。
イヤ、泣けなかったんだ……
今泣いたら、皐にバレてしまうから……
――ガラッ
「莉緒……」
呼ばれた名前に、体が震えた。
「皐……」
そっと顔を上げると、心無しかホッとしたように息を吐いた皐。
「あのさ、莉緒…「あのねっ!!」
皐の言葉を割って入った。
「留学、頑張ってきてね!」
「……え」
言いたくもない言葉を、言ってしまった。
「莉緒、聞いてたのか?」
「っ……聞こえちゃった。」
わざと明るく言ったのは、あたしの強がり。