2番目の恋人
「いいのか……?」
「え……」
「俺、留学してもいいか?」
「っ……なんで、あたしに聞くのよ。当たり前じゃん。皐が決めたことなら。」
今さら、聞かないでよ……
皐が決めたことに、あたしが口出す権利はない。
「莉緒は、どうなんだ?」
「え?」
「俺に行ってほしい?」
「っ……」
なんで……?
なんで、そんな残酷な事、あたしに聞くのよ……
「あ、あたしは……皐が行きたいなら、応援するよ。」
あたしには、そう言うしかないじゃん……
「分かった。莉緒が理解のある彼女で良かったよ。」
『理解のある彼女』……
ねぇ、違うよ……
あたし、理解のある彼女なんかじゃないよ?
ただ……
「頑張ってきてね、留学……」
「あぁ……」
強がりで、理解のある彼女を演じてるだけなんだよ……?