2番目の恋人
それからは、毎日が悲しくて愛しい日々だった。
留学の話なんて詳しく聞きたくなくて、あれから口にしたことはない。
ただ分かるのは、留学が2週間後に迫っているということ……
もちろん皐に聞く勇気はなくて、先生に聞いた。
担任に聞くと皐に言われる可能性があるから、違う英語の先生に……
もしかして担任が皐に話しちゃったら、皐が悩むかもしれない……
あたしは皐の負担には、なりたくないんだ……
“面倒な彼女”なんて、思われたくない。
“遠距離恋愛”
その距離感が、あたしたちの心の距離にならないことを、願うしかなかった……
「莉緒、明日さ俺とデートしよ?」
「え?」
いつもの帰り道、誘われたデート。